当社の創立者「伊藤 工」氏は、昭和5年(1930年)北海道恵庭町で、若干21歳の時に伊藤ハイヤーを設立し、昭和15年(1940年)まで営業していました。
しかしながら、更に大きな仕事をしたいという理想から、事業を同業者に営業譲渡した
うえで静内町に進出、運送事業に取り組むことになります。
そして昭和16年(1941年)7月「静内自動車運輸有限会社」として、普通トラック3台で営業を開始します。
ただ時代は太平洋戦争のさなかです。戦時体制強化の一環として、トラック事業にも戦時重要物資輸送即応体制がひかれ、強制的に他運送会社に統合されることになります。
戦後、企業分割が行われた際、胆振自動車株式会社を創設し、静内営業所として事実上
独立の一歩を歩み始めます。
昭和27年(1952年)2月、静内自動車運輸株式会社として、一般区域貨物自動車運送業の免許を受けて会社を設立します。車両10台、従業員15名でした。
昭和29年(1954年)12月に、一般貨物自動車運送業の免許を受け、札幌~静内間157キロの路線貨物輸送も併せて開始しました。同年、札幌営業所も開設しています。
しかしながら、戦後復興期に入りマイカーが普及したこと、加えて昭和34年8月に発生した豪雨災害で、日高地方の林業は多大な被害を受け、木材を運搬していた当社の経営も悪化しました。
昭和36年(1961年)2月、経営を立て直す為、一般区域貨物輸送を廃止、路線事業に専念することになりました。
路線事業に専念したことが功を奏し、順調に売り上げを伸ばしていくことが出来ました。
札幌営業所を拡大すると共に、昭和48年(1973年)には苫小牧営業所を開設します。
昭和48年(1973年)には北野物流センターを開設し、倉庫業にも着手することになります。加えて関連会社であった「たくみ商事株式会社」が昭和62年(1987年)に
物流センター白石を開設し、札幌市内での倉庫運営が本格化します。
大手加工食品メーカーの保管配送業務も、この頃から始まりました。今でいう3PL/サードパーティロジスティクス事業(包括的に物流業務を委託すること)を、いち早く手掛けることになります。
3PL事業という言葉が日本で普及したのは1990年代後半と言われていますので、
20年余りも早く、取り組んでいたことになります。
この3PL事業に取り組んだことが、当社の飛躍の好機となります。
平成4年(1992年)には倉庫業の免許を取得、千歳市に新たに物流センターを開設します(平成14年には2号棟も開設)。平成13年(2001年)にはたくみ商事株式会社から物流センター白石を譲り受け、総合物流を展開、3PL事業を通して会社は更に大きくなっていきます。
そして2002年(平成14年)、設立50周年を迎えます。
平成15年(2003年)、本社を現白石区流通センターに移転すると共に、社名をシズナイロゴス株式会社に変更します。
そして3PL事業を発展拡大する為、平成19年(2007年)、恵庭市に物流センターを開設しました。この物流センターが北海道における常温食品の物流拠点として機能していくことになります。平成28年(2016年)には、第二倉庫も開設し、その役割は重要度を増していきます。
平成23年(2012年)には、同じく恵庭市にホームセンター事業部を開設します。
このセンターは主に北海道内のホームセンター向け商材(日用雑貨)の仮置き・仕分け場の
役割を担っており、食品以外の分野でもノウハウを蓄積していくことになります。
また、この時代は様々な荷主倉庫のセンター運営業務にも挑戦しました。靴の卸会社や
製粉工場、ギフトセンターの運営等、幅広く手がけました。
その中で、当社の強みを生かせる業態を選別し、今でも梱包資材の卸会社、キッチンメーカー、全道スーパー向け食品の倉庫・配送業務等を継続して受託しています。
将来の国際化や、労働人口の減少、ダイバーシティ(多様性)の広がり等を見据え、平成28年(2016年)、恵庭市に「北海道HSL日本語学校」を開設しました。
主に東南アジアからの留学生を受け入れています。留学生は当社の物流センターでアルバイトとしても働いており、職場の国際化が進んでいます。
新型コロナ・ウイルスの感染拡大で、留学生の入国が制限されていましたが、緩和され始めています。留学生達には、日本語だけでなく、シズナイロゴスの物流を学び、帰国後は母国の経済発展に貢献する人材になって欲しいと期待しています。
社会貢献の点でいうと、当社発祥の地である日高地方に感謝の気持ちを示すべく、当社から新ひだか町、新冠町に対し、新規就農者の支援を申し出しました。
両自治体と協議を行った結果、10年に亘り、各年の新規就農者に当社から100万円の一時金を支給する「就農支援事業に関する協定」を創設することになり、実際に令和3年(2021年)から運用が開始しています。
この取り組みを通し、農業物流にも着手しています。単なる保管・配送業務だけでなく、
マンパワーの提供等、一次産業の担い手不足を統括的にサポートしていきます。
また、昨今のEコマースの拡大等も踏まえ、軽車両部門も創設しデリバリー業務にも参画しました。
これからも、旧態依然の形に固執されることなく、配送・保管という事業を軸にしながら、時代の変化に沿った多角化運営を目指して行きます。